ゼロから始めるダイエット習慣:うまくいかない日があっても落ち込まないコツ
ダイエットの過程で「うまくいかない日」があるのは自然なこと
ダイエットを開始し、食事や運動、睡眠といった生活習慣の改善に取り組む中で、全ての日が計画通りに進むとは限りません。仕事の都合で食事が乱れたり、疲労から運動できなかったり、ストレスでつい食べ過ぎてしまったりすることは、多くの方にとって経験のある状況です。
特にダイエットを始めたばかりの頃は、「絶対に完璧にやらなければ」と考えがちです。しかし、少しでも計画から外れると、「もうダメだ」「自分には無理だ」と落ち込み、そのまま取り組みをやめてしまうことがあります。このような「完璧主義」の考え方は、ダイエットの継続を難しくする要因の一つとなり得ます。
この章では、ダイエットの過程で「うまくいかない日」があるのはごく自然なことであり、それを乗り越えて継続するための考え方と具体的な対処法について解説します。
なぜ「うまくいかない日」があるのか
ダイエットの取り組みは、日々の生活の中に組み込まれるものです。私たちの生活は常に一定ではなく、以下のような様々な要因によって影響を受けます。
- 仕事や学業の忙しさ: 予期せぬ残業や課題により、準備していた食事が摂れなかったり、運動の時間が確保できなかったりします。
- 人間関係: 会食や飲み会、付き合いでの外食など、自分のコントロールが難しい状況が生じます。
- 体調の変化: 風邪を引いたり、生理前後の不調があったりすると、体がだるく運動する気になれなかったり、特定の食べ物を欲したりすることがあります。
- 精神的なストレス: ストレスを感じると、食欲が増進したり、気分転換のために衝動的な行動をとったりすることがあります。
- 睡眠不足: 睡眠が不足すると、食欲をコントロールするホルモンバランスが乱れ、高カロリーなものを欲しやすくなります。
これらの要因は、ダイエットを意識していても完全に避けることは困難です。そのため、計画通りに進まない日があるのは、努力不足ではなく、自然な生活の一部として起こり得る現象と理解することが大切です。
「完璧主義」を手放すことの重要性
「完璧でなければ意味がない」という思考は、「オール・オア・ナッシング」思考とも呼ばれます。この考え方でダイエットに取り組むと、例えば1食だけ食べ過ぎてしまった場合でも、「今日のダイエットはもう失敗だ」と考えてしまい、その後の食事も無計画になったり、予定していた運動をやめてしまったりする傾向があります。
しかし、ダイエットは短期間で劇的に変化させることよりも、健康的な習慣を長期的に継続することが重要です。数週間のうちの1日や2日の食生活の乱れが、これまでの努力を全て無にするわけではありません。むしろ、その1日を理由に全てを投げ出してしまうことの方が、長期的な目標達成を遠ざけます。
完璧を目指すのではなく、「目標の7割できれば十分」「計画から少し外れても大丈夫」という柔軟な考え方を持つことが、ダイエットを継続するためには不可欠です。
うまくいかなかった日の具体的なリカバリー術
計画通りに進まなかった日があったとしても、そこで立ち止まったり、自分を責めたりする必要はありません。大切なのは、その状況からどのように立ち直り、次の行動に繋げるかです。以下に、具体的なリカバリー術を挙げます。
1. 自分を責めない
最も重要なのは、自分を過度に責めないことです。「なぜ食べてしまったのだろう」「また失敗してしまった」とネガティブな感情に囚われると、モチベーションが低下し、次の行動への意欲が失われます。うまくいかない日があったことを、感情的にならずに受け止めましょう。
2. 原因を冷静に分析する
なぜ計画通りに進まなかったのか、その原因を冷静に振り返ってみましょう。 * 睡眠不足だったか? * ストレスを感じていたか? * 食事の準備ができていなかったか? * 特定の状況(例:職場の集まり)が原因か?
原因を理解することで、同じ状況を避けるための対策を考えたり、事前に備えたりすることができるようになります。記録をつけている場合は、その日の状況や感情もメモしておくと役立ちます。
3. 次の食事、次の日から通常に戻す
うまくいかなかった日の食生活を引きずらないことが大切です。例えば夕食を食べ過ぎてしまった場合でも、次の日の朝食から通常の計画に戻します。夜遅くに食べ過ぎた罪悪感から、翌朝食事を抜くといった極端な行動は、かえって次の食事で反動がきたり、必要な栄養が不足したりする可能性があるため避けた方が良いでしょう。あくまで「点」として捉え、線で考える視点を持つことが重要です。
4. 少しでもできたことに目を向ける
計画通りに全てができなくても、何もできなかったわけではないはずです。例えば、食事は乱れたが少しでも歩いた、予定していた運動はできなかったが階段を使った、などの「できたこと」に焦点を当てましょう。ポジティブな側面に意識を向けることで、自信を失わずに次の行動へ繋げやすくなります。
5. 計画を柔軟に見直す
頻繁に計画通りにいかない場合は、そもそも計画自体に無理がある可能性があります。現在のライフスタイルや体調に合わせて、計画を柔軟に見直しましょう。例えば、毎日決まった時間に運動するのが難しい場合は、スキマ時間を活用する方法を考えたり、調理に時間をかけられない場合は作り置きやヘルシーなコンビニ食を取り入れたりするなど、現実的な調整を行います。
事前に「うまくいかない日」に備える工夫
リカバリーだけでなく、事前に「うまくいかない日」に備えておくことも有効です。
- バッファを持たせた計画: 週単位で目標を設定し、特定の日は柔軟に対応できるように余裕を持たせます。
- 代替案の準備: 予定していた運動ができない場合に備えて、自宅で短時間でできるストレッチや筋トレのメニューを用意しておきます。
- ヘルシーな選択肢の確保: 忙しい日や疲れている日にすぐ食べられる、栄養バランスの取れた簡単な食事や作り置きを用意しておくと、衝動的な食欲や外食に頼るリスクを減らせます。
- ストレス解消法のリストアップ: 食事以外のストレス解消法(軽い運動、読書、入浴など)を見つけておき、ストレスを感じた時に実践できるようにします。
まとめ
ダイエットは、完璧を目指す直線的な道のりではなく、時に立ち止まったり、寄り道したりしながら進む旅のようなものです。うまくいかない日があるのは、決して失敗ではなく、長期的な継続のためには避けられない自然な出来事として捉えましょう。
大切なのは、計画から外れた際に自分を責めず、その経験を次に活かすことです。冷静に原因を分析し、次の食事や行動からすぐに通常のルーティンに戻すこと。そして、完璧を目指しすぎず、柔軟な考え方で取り組む姿勢が、ダイエットを習慣として根付かせ、長期的な目標達成へと繋がります。うまくいかない日があったとしても、「まあ、そういう日もある」と受け流し、淡々と続けることが、成功への一番の近道となるでしょう。